【新唐人日本2011年6月21日付ニュース】中国では1990年代中ごろから2008年にかけて、16,000人から18,000人の官僚が海外に逃亡。持ち逃げしたお金は合わせて、8000億元、日本円で10兆円近くなるそうです。最近、中国の中央銀行が発表しました。しかし、実際はこれよりはるかに深刻だと専門家は指摘します。
中国の中央銀行の研究チームが2008年6月に完成させた、海外に逃亡した汚職官僚に関する報告書は、先日、中国・金融学会の賞に輝きました。
6月14日、中央銀行は公式サイトで初めてこの報告書を発表。しかしその後すぐに、この報告書と賞獲得のお知らせが削除され、他のニュースサイトでも、関連報道が削除されました。
報告書によると、汚職官僚が資産を移す主な地域は、北米、オーストラリア、東南アジアおよび中国と引き渡し条約を結んでいない小国など18で、香港やマカオは主な中継点になっています。
資産を移す方法のは主に8つ。現金の密輸、送金、収支報告書の偽装工作、海外投資、クレジットカードでの消費、タックス・ヘブンでの投資などです。
中国銀行の広東省・開平市の営業所では、元トップ3人がアメリカに逃亡。持ち逃げしたお金は4兆8,300万ドルで、日本円で380兆円を超えました。
これを受け、中国のネットでは怒りの声がやみません。わずか0.4%の人口に、7割の財産が集中。彼らが資産を移したら、13億の労働者の血税は無駄になるとの悲鳴が聞かれます。
北京理工大学の胡星斗教授は、このような現象は深刻さを増していると指摘。
北京理工大学・経済学 胡星斗教授:「資金洗浄対策法を制定しても実際 公金持ち逃げは年々深刻化しています」
中国国営系のニュースサイト、新華網によると、中国でも最も貧しい県の一つ、江西省の鄱陽県で去年、ある官僚が一家でカナダに逃亡。県の財政収入が4億元余りのところ、この官僚は1億元近い金を不正に横領しました。
時事評論家の曹長青さんは、この背景には、中国の将来への不信感があると述べます。
時事評論家の曹長青さん:「働いて金持ちになった人も汚職官僚も皆金を米国に移しています。最大の共通点は中国の制度 見通しに対し不信感を持っていることです」
北京理工大学の胡星斗教授は、中国の政治体制について、官僚が互いにかばい合う利益共同体だと指摘。汚職対策が効果を上げないのは、これがすでに権力闘争の道具と化してしまったからだと嘆きます。
アメリカ、コロンビア大学の政治学博士、李天笑さんは中国共産党からの脱退を呼びかけます。
コロンビア大学・政治学博士 李天笑さん:「報道によると120万ほどの共産党高官の家族が海外に逃げました。実際のところ、共産党の中レベル以上の党員は共産党崩壊を予測しているため、逃げ道を探しているのです。最も確実なのは中国共産党からの脱退です」
地政学の第一人者、ジョージ・フリードマンさんは最近、中国は数多くの問題に直面していると指摘。なかでも二極分化によって、10億人以上がアフリカのように貧しい暮らしを強いられており、社会の不満は増すばかり。共産党による抑圧が危機を悪化させていると述べています。
新唐人テレビがお伝えしました。